公文国語と小学生 | 時間をかけて読解力の向上に取り組めます

公文 国語

公文生のボリュームゾーンは小学生

 公文には未就学児から大人まで様々な人が通っていますが、最も割合が高いのは小学生でしょう。未就学児であれば公文は早すぎると思う人も多いですし、中学生になると忙しくて公文を続けられない人が多くなってきます。

 小学生は学校の勉強が始まり、大なり小なり学習面での課題を感じる人も増えてきます。また公文の教室数はコンビニ並に多く、入塾のためのハードルもありません。一番手軽な道は通信教材ですが、その次に選択肢として挙げられやすいのが公文になってくるでしょう。

 小学生であれば生活にも余裕があり、公文を続ける事ができます。公文に取り組める多くの理由があるのが小学生だと言えるでしょう。

 そして時間に余裕があるという点は、公文の国語の効果を上げる大きなポイントです。公文の国語は「読解力」をテーマにしているからです。

公文国語のテーマは読解力

 小学生の国語というと漢字のイメージが強いでしょう。学年ごとに学習する漢字が決まっており、進歩が分かりやすいからです。公文でも小学校課程で習う漢字は全て扱います。公文をやっていて良かった事に、漢字を覚えられたという点を挙げる人もいます。

 しかし公文における漢字というのは、あくまで教材の文章を読めるようにする事を目的としています。漢字の学習もしっかりやっているのは、小学生レベルの漢字を読めないと、読める文章もかなり限られてきてしまうからです。

 読解力の養成に力を入れている事を示す一つの証拠に「公文の推薦図書」があります。これは5A教材からI教材までグレード別に50冊ずつ、計650冊の推薦図書を公文が選んでいるものです。国語の教材の中の問題文も推薦図書から出題されます。

 計650冊もの本を毎年進度別に選定し、公開するというのは並大抵の事ではありません。無料でインターネットに公開されているので、これが何か直接的に利益を生んでいるわけでもありません。読解力向上への公文の熱意が表れている部分だと思います。

 また公式サイトには進度別に、その段階においてどのような力を習得するか公表されています。ここに記載されている「教材のねらい」も、内容は基本的に「どのような読む力を習得してほしいか」という点を示しています。

 公文の国語で中心になるのは「読解力の向上」という事になります。

読解力を向上させるには時間が必要

 そして読解力の向上には時間がかかります。明確な区切りが存在しないからです。

 例えば算数であれば、単元ごとにはっきりとした区切りが存在します。足し算・引き算の単元で掛け算は扱いませんし、因数分解の単元で微分・積分は扱いません。そして足し算が理解できなければ因数分解を理解する事はできませんから、まずは足し算・引き算をしっかりとマスターしようという話になります。結果、範囲を絞って学習する事になりますから、しっかり勉強すれば成果もはっきりと出ます。

 しかし読解力を鍛えると考えると、単元や区切りを見つけるのが難しくなります。

 全く区切りがないわけではありません。公文の国語では段階ごとにどんな読解力を付けるのか定義しています。A教材では基本の文形を学び、B教材では図を使いながら構文力を鍛える、という風にです。しかしこうした区切りを認識している人はあまりいませんし、それぞれの段階の力が身に付いているのか判断するのも困難です。そのため読解力はどこか曖昧なものとして捉えられやすい傾向があります。

 小学校から高校までで学ぶ範囲は、国語に限らず非常に広いものです。そのため区切る事も測定する事も難しい読解力は、成長が目に見えるまでにある程度長い期間を必要とするのです。

小学生は時間を確保しやすい

 そして子供の成長過程を考えた時に、最も長い期間公文を続けられるのは小学生の間です。公文は受験や部活との両立がやや難しい事があるからです。

 公文は受験塾ではないため、受験のテクニックを習得できる塾ではありません。その手前の下地になる基礎を養うための塾です。そのため受験直前になると、より直接的に受験の点数へ繋がる塾を選ぶ必要が出てくるのです。

 小学校生活は6年間あります。長い期間の継続には非常に適した期間になるわけです。

中学受験をするならタイムリミットは早まる

 しかしタイムリミットを早める要因もあります。中学受験です。

 中学受験塾と公文の両立はほぼ不可能です。中学受験塾は付いていくだけでも相当なエネルギーを使いますし、公文も決して負担の軽い習い事ではありません。中学受験塾への入塾は小4が一つの基準ですから、タイムリミットは意外と早く訪れます。

 中学受験を意識するのであれば、公文をどのように利用するのかは検討が必要です。公文は基礎を重視しますが、中学受験では応用力が必要です。算数であれば基礎的な計算の速さと正確性は武器になっても、国語は小学校6年生レベルであるF教材を終えていても武器になるとは言えません。もっと先を目標にするか、前準備だと割り切るか、スタンスを決めておかないと期待外れに終わるかもしれません。

 どちらのスタンスを取るにしても、ある程度の先取りをしたい所です。できれば就学前か小1、遅くとも小2の間には公文を開始した方が良いでしょう。

もう一つの注意点:授業を軽視させない

 小学生で公文を学ぶお子さんについて、もう一つ問題になりやすいのが授業の軽視です。

 この問題は公文での学習がうまくいき、先取り学習をしているお子さんにありがちです。学校で勉強するよりもずっと先の範囲を学習しているので、授業の内容が簡単すぎるように見えてしまうのです。

 たとえ授業が簡単であっても、それだけでは大きな問題にはなりません。退屈さから集中を欠くくらいであれば仕方ない部分もあるでしょう。しかし先の範囲を学習している事をひけらかすようになった時、これは大きな反感を呼びます。

 周りを見下したり反発したりというのは、実際に能力が高い場合は必ずしも否定すべき気質ではありません。もちろん周囲との軋轢を生みますし、周りからの助けを得にくくなりますから、自力で物事を解決しなければならなくなります。周りを見下しておいて、手を借りるというのはみっともないと感じてしまうからです。

 しかしこれが自力で道を切り拓く経験となり、長い目で見た時に独自の能力へ繋がるという事はありえます。スポーツチームのエースや社長、Youtuberや芸能人等、先頭を切って道を切り拓く人に、性格的な問題があるというのはよくある話です。和を乱さないという点では問題になる性格も、裏を返せば突破力や行動力になるという事です。

 ただ、自力で道を切り拓く事の裏地には実力が必要です。そして公文による先取り学習は基礎の範囲ですから、頭の良さという所ではなく、単に早く先の範囲を学習しているに過ぎない場合も多いのです。

 先取り学習には大きな意味があると思います。先取り学習によって得た時間を、より実力を伸ばすための何かに使えるからです。また公文によって得られる基礎は確固とした強いものがあるとも思います。ただ、その差を頭の良さだと勘違いし、さらなる努力を怠れば、いずれ時間の経過と共にその差はなくなってしまいます。差がなくなった時、周りからの助けを得られないというのは想像以上に大きなデメリットとなります。

 小学生はまだ経験が少なく、自分の得意を自慢する事のデメリットをまだ知りません。公文で得られるメリットがどのようなものか正しく理解するのも難しい年齢でしょう。そして可愛げや素直さというのがまだ強く求められる年齢でもあります。

 不要な軋轢を避けるためにも、謙虚さや真面目さというものを、先取り学習を支える裏地として持っておかなければならないでしょう。

まとめ

 今回は小学生にとっての公文国語を取り上げました。小学校での公文の学習には、中学受験や先取り学習といった考慮すべき事柄もあります。公文自体はそれこそ大人になっても続けられますから、学習するこちら側の事情で先にタイムリミットを迎える事が多く、学習全体の中でどのように公文を位置づけるのかという点には十分な考慮が必要です。

 その点をクリアできれば、小学校の6年間は公文の国語で効果を出すには良い時期でしょう。

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