公文国語はいつまでできる? 受験と部活が引き起こす3つのタイムリミット

公文 国語

 公文の国語はボリュームの大きな教材です。全ての教材を終えようと思ったら、順調に進んでも五年は覚悟しなければなりません。

 理想としては最終教材の完了を目指すべきだと考えてはいますが、現実にはタイムリミットが存在します。いつまで公文を続けられるのかという点を考慮しつつ、現実的な目標を立てなければならない事もあります。

 今回は公文の国語というのはいつまで続けられるものなのか、考えられるタイムリミットを解説していきます。

「いつまで続けるか」を左右するのは受験と部活

 公文の国語について言えるのは、重要性は高いが緊急性が低いという事です。できる事なら長く続けるべき教材ですが、他の事で忙しくなってきた時、真っ先に後回しにされるのが公文の国語だと言えるでしょう。

 そしてお子さんが忙しくなる大きなポイントが受験と部活です。

中学受験をするなら小4がタイムリミット

 一番最初に来るタイムリミットは中学受験でしょう。

 公文の国語は中学受験に繋がる部分もありますが、それはあくまで中学受験の前段階としての役割でしかありません。公文の国語が中学受験の国語対策にそのままなるというわけではなく、両立には相当な負荷がかかります。

 中学受験塾での学習量は相当なものがあり、宿題は終わらない事が当たり前という塾もある程です。公文との両立は現実的ではありません。

 中学受験塾への入塾を遅らせればタイムリミットを伸ばす事はできますが、小5での入塾ははっきりとした遅れになりますし、小6まで遅らせるとまともに出題範囲を学習しきるのも厳しくなります。中学受験をするなら小4がタイムリミット。このタイムリミットを回避する事はできないと考えておいた方がいいでしょう。

活動の活発な部活に入れば中1がタイムリミット

 次のタイムリミットは部活動への加入です。

 小学校高学年でも部活動のある学校はありますが、公文との両立が難しい程の忙しい部活はあまりありません。しかし中学以降の部活は、全平日の放課後と休日を全て潰して練習に明け暮れる部活がたくさんあります。

 運動部は特に忙しい傾向があります。地区大会の一回戦で敗れるような学校でも、ほとんど休みなく練習をしている部活動が結構あります。学校での学習量も増えてくる中で、公文を続けるというのは並大抵の事ではありません。

 また部活ではありませんが、小学生でも強豪の運動クラブに所属すれば、部活動と同等かそれ以上に忙しくなる事はあります。このケースでは学校の学習量がまだそこまで増えない代わりに、勉強へのモチベーションが下がる可能性が残ります。小学生の段階であればまだスポーツ選手への憧れも強いですし、自身のスポーツの才能もまだ判断できない段階だからです。

 こうした部活動やクラブへの加入によって、公文を続ける余力がなくなってしまう。これが2つ目のタイムリミットになってきます。

高校受験をするなら中2がタイムリミット

 3つ目のタイムリミットは高校受験です。

 中学受験はせず、部活動との両立もできた場合も、高校受験はする事になるでしょう。小中高一貫の学校であれば高校受験も回避できますが、これはレアケースかなと思います。

 そして高校受験の際にも、中学受験と同じ理由で公文の継続が難しくなります。公文の学習は受験対策に直結しませんし、受験塾との両立は時間的に厳しくなってきます。

 また部活の引退も迫ると、三年間の集大成になる大会等を目指す事になるでしょう。今までは両立ができていても、部活動に集中したいという気持ちが出てくるかもしれません。

 公文には年齢制限がありませんが、高校生で公文を続けている人はほとんど見ません。この3つのタイムリミットのどこかで、ほとんどの人が公文を辞めている事が原因でしょう。

公文を終える時期ごとの目標到達点

中学受験を視野に入れるならH教材を目標に

 中学受験は小学校の範囲から出題されるので、公文はF教材を終了すれば中学受験に対応できるという考え方もあります。しかし公文で習得できるのはあくまで基礎的な部分で、応用力を試される中学受験にはF教材の内容だけでは対応できません。

 特に出題範囲の限られる中学受験において、因数分解を出題する事はできなくても、中高生が読むような難しい文章の出題は制限を受けません。上位校になるほど日本語の難しさという点がそのまま問題の難しさとして表れます。

 こうした部分に対応するためには、H教材レベルの文章を読める必要があると思います。小3でのH教材到達という事で、就学前からの学習開始と、少なからぬお子さんの適性が求められる事になります。

中学まで続けるなら理想は最終教材、次点はI教材修了

 中学受験をしない場合、小学校高学年以降の最も学力が伸びやすい時期を確保する事ができます。腰を据えて最終教材を目指せれば、大学受験まで通用する強靭な基礎をここで習得できます。

 最終教材までは届かないという場合、その手前で目指すべき大きな区切りはI教材です。

 公文は学年別に50冊ずつの推薦図書を毎年選定しており、公文の教材に出てくる問題文も推薦図書の文章を多く出題しています。この推薦図書において最も難しい本が選ばれているのがI教材です。

 これはJ教材以降で古文や漢文を扱う事が理由です。現代文の学習における一つのゴールがI教材なのです。

 ここまでたどり着く事ができれば、大抵の現代文を読めるようになります。早い段階でこの状態を作っておけば、受験における国語という教科への対応はもちろん、あらゆる分野への知的好奇心が生まれた時に、自力で関連する本を読めるようになります。

部活も受験も緩いものならリミットを伸ばせる

 ここまでで3つのタイムリミットを挙げました。しかしこれらは「継続が厳しくなる」というだけで、継続が不可能なルールがあるというような類の話ではありません。公文自体には年齢の上限はなく、大人であっても入会が可能です。

 ですから状況によっては公文を続ける期間を伸ばす事ができます。

 例えば中学受験です。都市部で中学受験をするのであれば、前述したような小4からの受験塾への専念が求められます。しかし地域によっては中学受験の競争が加熱しておらず、公文と両立しながら受験対策もする事が可能な場合があります。高校受験においては一定の競争は避けられませんが、推薦狙いや学校の選び方によっては継続が可能な場合もあります。

 部活についても、あまり活動が活発ではない部活であれば公文との両立は可能です。空き時間の全てを費やす必要のある部活ばかりではありません。

 これらの要因は居住環境やお子さん自身の意思と言った、コントロールが容易ではない部分に左右されます。ただ認識しておく事で、どのあたりでタイムリミットが来そうか予想する事が可能です。

タイムリミットを意識して目標を話し合おう

 今回は公文の国語をいつまで続けられるのか解説してきました。

 公文自体に年齢制限がない以上、公文を辞める時期は自分で決断しなければなりません。区切りをうまく付ける事ができず、中途半端な形で公文を終えてしまっては、後悔が残る形での幕引きとなってしまいます。

 受験や部活と言ったタイムリミットを踏まえ、現実的な目標を再設定する事で、最終教材までたどり着けなくても納得感は得る事ができます。お子さんとどのような終わりを迎えるのか、早い段階で話し合っておきましょう。

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