公文と中学受験 | 効果は限定的ですがメリットもあります

公文 受験

  

 中学受験を考えています。子供を公文に通わせていますが、進学塾へ転塾すべきか、転塾するならいつにすべきか迷っています。

中学受験を考えるのであれば、公文の効果は限定的になります。公文はあくまで最終教材を目指す事によって、大学受験において大きな効果を発揮する学習塾だからです。公文だけで中学受験は現実的に難しいですし、中学受験と並行して公文に通うのもまた無理だと言っていいでしょう。

 しかし中学受験を目指す上でも、限定的ではありますが公文にメリットはあります。今回は中学受験における公文のメリットと限界をお伝えしていきます。

公文は中学受験の準備になる

 公文は中学受験前に有利な以下の3つの要素を含んでいます。

  1. 計算力
  2. 学習習慣
  3. 先取り学習

中学受験における公文は計算力を上げる事を目的にする人が多い

 中学受験前に公文を習わせる場合、一つの王道があります。小学校低学年でF教材(小6相当)を終わらせて、小4を目処に中学受験塾へ転塾するというものです。

 公文では基礎的な計算力を徹底的に反復します。計算力は今後どのような受験をするとしても役立ちます。また大手の中学受験塾も低学年からどんどん詰め込みをするような事はあまりありませんから、低学年のうちからどんどん勉強をさせるなら公文は向いています。

学習習慣が身に付く

 計算力以上に中学受験において力になってくれるのは学習習慣です。

 毎日机に向かうのは中高生になったとしても簡単な事ではありません。しかも中学受験塾の学習量はかなり多く、宿題を全てこなせない事が前提になってくる場合もあります。毎日何時間も学習習慣を確保し続けるのは親も子供もしんどいものでしょう。

 公文でも毎日宿題が出ますが、教室へ毎日通う必要もありませんし、授業もありません。中学受験塾よりははるかに楽な形で毎日学習を進めていく事ができます。親も子供への接し方や生活リズムを身に付けやすいでしょう。安定した学習習慣を持った状態で中学受験に入塾できれば、しっかりと効果を上げられる確率も高くなります。

先取り学習によって余裕は生まれる

 学習面での余裕という話だと、先取り学習の話もあります。

 小学校低学年でF教材(小6相当)を終わらせるのが中学受験における公文の主な活用法だとお伝えしました。公文では先の学年の単元であっても、理解を進めれば学んでいく事ができます。小学校や中学校で高校課程を終わらせているお子さんもいます。

 公文で扱うのはあくまで基礎ですが、本格的な受験対策が始まる前に基礎が固まっているというのは大きなアドバンテージです。先取り学習によって得た余裕を他の教科に当てる事で、中学受験塾の授業スピードに付いていける確率も上げられます。

中学受験の対策には足りない部分が多い

 中学受験塾の準備として公文は優秀ですが、中学受験そのものの準備としては、下記の4つの理由から足りない部分が多いと言えるでしょう。

  1. 理社は学習できない
  2. 受験の情報は得られない
  3. 公文で扱うのはあくまで基礎
  4. 公文算数は小学校の算数の範囲を全てはカバーしていない

理社は学習できない

 公文の科目に理科と社会はありません。これだけで中学受験には不十分と言えるでしょう。

公文算数は小学校の算数の範囲を全てはカバーしていない

 公文では小学校で習う算数の範囲を全てはカバーしていません。図形問題は公文の範囲の中に含まれないのです。  

 公文で扱うのは代数計算です。高校数学の学習範囲と公文で習う範囲は一致しています。しかし小学校や中学校の範囲の中には公文では扱わない部分が含まれています。

公文で扱うのはあくまで基礎

 公文で扱うのはあくまで基礎です。思考力の必要な応用問題は基本的には含まれません。

 中学受験では高校や大学より扱う範囲が狭い分、基礎は身に付いているのが前提で、応用問題で勝負が決まってくる傾向があります。公文でカバーできる部分も相対的に小さく、ある程度のレベルまで来ると公文の力だけでは問題が解けなくなります。

受験の情報も得られない

 中学受験塾へ通う上で得られるものは学力だけではなく、情報も含まれます。

 中学受験塾にはこれまでの受験生の合否データや偏差値の推移、出題傾向から生徒のモチベーションまで、中学受験に関わるあらゆる情報が蓄積されています。塾が開示している情報は限られており、親が個人で手に入れられる類のものではありません。

 公文も受験塾ではありませんから、受験に関する情報は持っていないでしょう。中学受験をした生徒もいるかもしれませんが、どの教室にいたのかも、その情報が教室間で共有された事も恐らくないでしょう。

 情報という意味でも公文だけでは不足があると言えます。

3年生や4年生での転塾が多い

 中学受験塾に入る前の段階であれば、公文を始める一定の効果はあります。読みや計算の基礎力を養えますし、学習習慣を身に付ける事ができます。先取り学習を進められれば他の教科に回す時間も確保できるでしょう。

 しかし中学受験のためだと考えると公文だけでは足りない部分が多いです。理社は学習できませんし、扱う問題も基礎的なものです。受験に必要な様々な情報も公文では得る事が難しいでしょう。

 そのため中学受験をする子であれば、3年生から4年生くらいで公文を辞め、中学受験塾へ移るパターンが多いようです。

 正直に言えばもったいない公文の使い方だとは思います。公文の真価は大学受験で発揮されるからです。しかし限定的ではありますが、中学受験という場面においても公文の効果はあります。

 中学受験を意識している場合、転塾のタイミングを考えると小2までには公文を始めておいた方がいいでしょう。

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