公文算数Gはどんな教材? 負の数と代数が登場します

教材 公文 算数

 G教材では負の数や代数と言った抽象的な概念が出てきます。どのように学習を進めていくべきかイメージを掴んでいきましょう。

公文算数のG教材のレベルは?

 公文算数のG教材は中1相当のレベルです。

公文進度表

 教材の構成としては前半が負の数、後半が代数計算という形を取っています。

教材番号内容
1-20Fまでの復習
21-60正負の数の加減
61-70正負の数のかけ算
71-80正負の数のわり算
81-100正負の数の四則演算
101-120代数式の値
121-160文字式の計算
161-2001次方程式

 構成としては複雑な部分はありません。

 一方でお子さんにとっては理解の難しい概念が続けて登場する事になります。なぜなら負の数や代数がどのようなものか、実際に具体的なものを見せにくいからです。

抽象的な概念の理解がG教材の難しさ

 分数であれば物を見せるのは簡単です。3/4であれば、ケーキを4等分したうちの3つが3/4だという説明をすればいいからです。しかし-3個のケーキを見せる事はできません。負の数を説明できないという事はもちろんないのですが、具体的な物を見せるのは難しいです。代数に至っては「何の数か決まっていないもの」という定義を持つので、具体的な実態はありません。

 似た概念としては0があります。0は存在しない事を示すため、具体的な目に見える概念ではありません。そのため他の数より人類史の中で発見されるのがかなり遅い数字でした。一方で一度0という概念を飲み込んでしまえば、これを使った計算はそれほど難しくありません。

 同様に負の数や代数の計算についても、違和感をいかに無くせるかという点が分かれ目になってきます。

G教材の理解を促進する2つのアプローチ

 新たな概念を習得するには2つのアプローチがあります。1つは既に知っている概念を例に理解する事。もう1つは「習うより慣れろ」で進む事です。

既に知っている概念を例に負の数や代数を理解する

 負の数や代数は言葉だけで説明しようとすると難しい概念ですが、日常生活の中に出てこない概念というわけではありません。特に広義のゲームでは当たり前のように出てくる概念です。

 バスケやサッカーが好きならリーグ戦で得失点差という概念があり、得点より失点が多ければマイナスという点数が出てきます。スポーツをやっていればポジションや背番号がありますから、名前の分からない人の事をポジションで「敵のセンター」と言ったりします。

 ほとんどの場合、こうした概念が理解できないという事はありません。この類の概念は理解さえしてしまえば、取り立てて難しい内容を扱っているわけではないからです。一度どのようなものかイメージできてしまえば、簡単に使いこなす事ができます。

 もしお子さんが何か好きなものがあり、好きなものを使って概念を説明できそうなら、負の数や代数のイメージは一気に具体的なものになってくるでしょう。

負の数や代数にとにかく慣れてしまう

 もう1つのパターンは、理解する前にとにかく慣れてしまうという事です。

 負の数や代数は理解の難しい概念ですが、少なくともG教材の時点では、今までと比べてそれほど計算の難易度が上がるわけではありません。F教材の時点でいくつもの計算のルールに従い分数の計算をしていたので、この段階で追加される計算のルールは数も難易度もそこまでのものではないからです。

 特に基本的な問題であれば、計算の難易度は全く高くありません。代数の例で言うと、代数とは何か説明できるようになるのと、「x+3=1」を解く事のどちらが簡単かという比較で言えば明らかに後者が簡単だと思います。すると無理に理解を優先して壁にぶつかるよりも、とりあえず問題を解けるようになってしまうというアプローチが有効になります。

 通っている教室の先生が忙しそうで、一人一人の質問へ丁寧に対応できていなさそうな場合、思い切ってこちらの方向に舵を切ってしまうのもありかもしれません。特に先取り学習が進んでいる場合、学校の授業が追いついた時に理解も遅れて追いついてくる事は往々にしてあります。あえて考え込みすぎないようにコミュニケーションを取り、ひたすら問題を解いていってもらうという選択は一つでしょう。

負の数は理解、代数は慣れによるアプローチの方が有利

 理解と慣れ、それぞれのアプローチはお互いがお互いを邪魔します。理解しようという試みは、考える前にまずは慣れようという試みを邪魔してしまうからです。

 そのため両方のアプローチが可能な状態であれば、どちらかを選択する必要が出てくるでしょう。

 そしてG教材の構成を見ると、負の数については理解、代数は慣れを優先した方が有利だと言えます。これは出てくる計算の難易度が理由です。

 負の数の計算に関しては、G教材の100番までで4つ以上の分数の計算までを扱います。計算式の中に負の数が入ってくるような形ですね。比較的少ない教材の中で複雑な計算を扱うので、問題に対する慣れが発生しにくい部分があります。一方で理解については代数よりもハードルが低く、理解を優先した方がスムーズに学習を進められます。

 一方代数については、計算自体の難易度が高くありません。まだ分数が登場せず、xという数字が出てくるだけのシンプルな計算問題が続くからです。こちらは代数という概念の理解を焦らなくても、ただ代数計算に慣れるだけで教材を進められます。こちらは慣れを優先したアプローチの方が効果的でしょう。

お子さんの詰まり所から適切なコミュニケーションを取りましょう

 公文算数のG教材では前半で負の数、後半で代数を扱います。教材としては抽象的な概念の理解に難しさがありますが、理解を促進するか、後回しにするかは段階や環境によって異なります。適切な判断からお子さんの学習を補助しましょう。

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