公文算数Fのレベルは?
まずは公文全体の進度表を確認しましょう。
公文算数のF教材は小6相当のレベルです。
小3のうちにF教材を修了できれば高進度学習者として表彰されるので、先取り学習を意識している場合は1つの目標にしてもいいかもしれません。
公文算数Fの教材の構成は?
次に公文算数Fの教材の構成を確認しましょう。
教材番号 | 内容 |
---|---|
1-20 | E教材の復習 |
21-30 | 3個の分数のかけ算・割り算 |
31-50 | 3個の分数の足し算 |
51-60 | 3個の分数の足し算・引き算 |
61-90 | 計算の順序 |
91-130 | 4個以上の分数計算 |
131-160 | 分数と小数 |
161-180 | 文章題 |
181-200 | 小数 |
教材全体の流れとしては、4個以上の分数計算の習得後、小数と文章題というやや小さめのテーマを拾う形です。
4個以上の分数計算
4個以上の分数計算というのは、例えば下記のような計算を指します。
1/4 + ( 2/3 - 4/5 ) *3/4
E教材まででも分数の計算は行ってきましたが、式の中に出てくる分数は2つでした。F教材では4つ以上の分数が式に出てきており、この計算の習得がメインテーマに置かれています。
小数
小数の概念もF教材で登場します。基本的には小数を分数に直し、分数の計算を行うという文脈で小数を使用します。
文章題
わずかですが文章題も教材の中に登場します。文章題は躓く人の多い所ですが、どちらかと言えば国語力が問題になる事が多く、公文算数での扱いはかなり小さい印象です。
公文算数F教材の攻略のポイントは?
式の中に出てくる分数の数が2つから4つ以上になると述べました。分数の数が増えると、ただ計算を行う回数が増えるだけではなく、下記のような複雑さが加わります。
通分の難易度が大きく上がる
足し算・引き算における通分の難易度が大きく上がります。
最小公倍数を求めるテクニックはいくつかありますが、どれもやや面倒な手順が必要です。最初の方はテクニックを使っていても、結局はパターンの暗記に近い形で対応する方が効率が良くなってきます。九九よりもはるかにパターンが少ないからです。
しかし分数の数が増えてくるとパターンも増えてきます。やった事のない数の通分をする場面も増えてきますし、かけ算する数が多いので、数字も大きくなります。
計算の順序を考える必要がある
2つの分数の時にはなかった順序という概念が生まれてきます。
順序というのは、足し算・引き算より先にかけ算・割り算をするとか、かっこの中を先に計算するといった点を指します。分数が2つであれば計算は1度しか発生しませんが、3つ以上だとどの順番で計算するのかという論点が発生します。
処理が複雑になる事で、正確なフィードバックが得にくくなる
分数が4つあれば、式の中に数字は8つ以上ある事になります。ここまで数字が増えると、以前やった事のある問題というのがほとんど出なくなってきます。正確な計算を行うには、ルールに従って1つ1つの処理を正確に行うしかありません。
しかし計算の回数が多くなると、間違えた時に、間違えた箇所を特定する事も難しくなります。結果として繰り返し学習を行っても、自分の間違えに気付いて修正するというサイクルが回せなくなる事があります。
間違えた箇所の特定が難しいというのは、生徒側だけの話ではありません。教える側としても、生徒の計算結果から、間違えた箇所を特定するのはやや骨の折れる作業になります。多くの余裕と熱意があれば別ですが、間違いの原因を特定せず、正しい解法を教えて対応するというのが現実的な指導方法になってきます。
間違えた理由が分からないという状況は学習効率を大きく落としますし、学習効率の低下はモチベーションを落とします。そのため分数の計算というのは、算数に苦手意識の生まれやすい場所だと言えるでしょう。
親のサポートが効果的になりやすい教材
ここで効果的になってくるのが親のサポートです。
間違えた計算のプロセスを一つ一つ追い、間違えた部分を特定するというのは辛抱のいる作業です。公文の先生と言えど、多人数の生徒に対して毎回このプロセスを実施するというのは期待しにくい部分があります。
しかし親であれば、自分の子供に時間をかける事ができます。分数の計算であれば親が覚えていないという事も多くありませんし、子供の性格もよく理解できています。
複雑な計算の中のどこが間違いだったのかを丁寧に確認できれば、F教材においてもこれまでと同様に教材を進めていく事ができます。
中学受験対策としてはF教材がゴールになる
F教材においてもう1つ重要になるトピックが、中学受験を意識した時のゴールになるという点です。
公文国語の解説を行った際には、中学受験を意識するならF教材では足りないという話をした事があります。中学受験においては教科を問わず国語力という点での難化が図られるため、対応するためにはF教材より先の教材へ進む必要があるからです。
一方で公文算数においてはF教材をゴールにしても大丈夫です。公文算数のG教材では負の数や1次方程式と言った中学課程の内容を扱いますが、中学受験ではこうした中学課程の内容が扱われないからです。
もちろん公文のF教材をクリアするだけで中学受験に対応できるという事はないのですが、中学受験塾へ入る前に計算を得意分野にするという狙いは十分有効です。
公文算数F教材を理解してお子さんをサポートしましょう
今回はF教材において扱う分数の計算について解説しました。行う処理の回数が増える分ミスの原因を特定しにくくなり、学習効率は落ちやすくなります。親のフォローが効果的になりやすい教材なので、お子さんと二人三脚で取り組んでいけるといいでしょう。
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