公文算数Eはどんな教材? 数字を使った遊びが攻略のポイントです

教材 公文 算数

公文算数Eのレベルは?

 公文算数のE教材のレベルを確認するために、まずは公文全体の進度表を確認しましょう。

公文進度表

 E教材は小学5年生相当のレベルの教材です。

 小1の3月までにE教材の学習を開始すると高進度学習者として公文から表彰されます。先取り学習を意識している人にとっては一つの目標になるかもしれません。

公文算数のE教材の内容は?

E教材の「教材のねらい」

 まずは公文公式の「教材のねらい」を確認してみましょう。

 D教材までの四則計算力と約分の力をもとに、分数の四則計算力を養成し、F教材へ進める力をつけます。

参照:公文式算数・数学教材の一覧

 D教材までで掛け算・割り算や約分など、分数の計算に必要な基本的な計算を習得してきました。この基本を元に、分数の四則演算を習得するという所が教材のメインテーマになってきます。

E教材の全体の構成

 次に教材の内容を細かく見ていきましょう。

教材番号内容
1-10Dまでの復習
11-100分数の足し算
101-130分数の引き算
131-140分数の足し算・引き算
141-160分数のかけ算
161-170分数の割り算
171-180分数のかけ算・割り算
181-200分数の四則演算

 教材の意図としては非常に分かりやすい構成になっています。まずは足し算・引き算を学んでから復習。次にかけ算・割り算を学んで復習。最後に足し算・引き算・かけ算・割り算をまとめて復習…という構成になっています。

公文算数Eのポイントは?

 着目すべきは足し算に全体の45%が割かれている点にあります。

公文算数E教材における足し算の割合は45%

 引き算30枚、かけ算20枚、割り算10枚という分量に対し、足し算の90枚というのは明らかに多い分量です。どうしてこういう構成になっているかというと、分数の四則演算で難しいのは通分・約分の操作だからです。

 分数の四則演算は、どの計算も分数の通分・約分が前提になります。ここがクリアできなければどの計算も正確に行えません。逆にここさえクリアできれば、四則演算の中で際立って大きな違いはありません。

 分数の四則演算において重要な要素は、多くが分数の足し算の時点でクリアしなければならない部分です。そのため多くの配分が分数の足し算に割かれていると言えるでしょう。

分数の四則演算ではこれまでよりも複雑なプロセスが必要になる

 そして分数の計算では、今までよりも複雑なプロセスを踏む必要があります。

 - 帯分数(nとa分のb)を分数に直す

 - 分母が違う分数については通分する

 - かけ算においては約分可能な部分を約分する

 - 回答が約分可能なら約分する

 - 割り算なら分子と分母をひっくり返してかけ算にする

 筆算が出てきた時にも繰り上がりというテクニカルな部分が出てきましたが、約分においてはテクニカルな部分がいくつもあります。全ての要素を漏れなく処理するためには、シンプルな反復練習だけだと混乱しがちな部分だと言えるでしょう。

攻略のポイントは数字を使った遊び

 そこでポイントになってくるのが、数字を使った遊びの経験です。

 公文のこれまでの学習で、四則演算についてはワーキングメモリを使用せず、反射的に解けるような訓練を行ってきました。しかしE教材では分数の四則演算における様々なルールを、頭の中に入れておきながら計算を行う必要があります。

 そのため闇雲な反復練習を行う効果はさほど大きくないかもしれません。むしろワーキングメモリを使って問題を解くという思考の転換が必要になってきます。

 例えば「150✕11を暗算で解く」のようなちょっとした計算テクニックを教えてあげるのはいいかもしれません。これは「150✕10+150」という風に分解する事で、暗算でも2桁以上のかけ算を解けるようにするテクニックです。こうした計算テクニックはいくつもあり、問題によって違うテクニックを使い分ける必要があります。どのパターンが使えるか複数のパターンを試す必要がありますし、暗算なのでワーキングメモリも使えます。習得すれば自慢できるテクニックにもなりますから、分数の計算と同じようにワーキングメモリを使っての計算の訓練になります。

 または車の4桁のナンバーから、四則演算で10を導くという遊びもいいでしょう。特にドライブをしていれば、車のナンバーは無数に目に入ります。使用するテクニックは四則演算だけですし、様々なパターンを頭の中で試しながら解く必要があります。これも分数の計算で使用するのと同じ回路の訓練ができます。

公文算数Eを理解し、適切なサポートを行いましょう

 公文算数のE教材では分数の四則演算を扱います。分数の四則演算には複数のルールがあり、これまでよりもやや複雑な頭の使い方をする必要が出てきます。これに対応するために、数字での遊びが有効になってくる事を説明しました。

 分数の計算は、算数での躓きがはっきりと表れやすいポイントです。複雑になり始める学習の中で、今後の基礎になる頭の使い方を身に着けてもらいましょう。

▼公文の他の教材について知りたい方はこちら▼

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