公文国語は「読解の基礎習得」においてハイレベルな教材です

公文 国語

 公文国語のレベルを考える時、2つの側面からの理解が重要になります。1つは今やっている教材が、学年でいうとどの段階にあたるのかという「進み具合」という側面。もう1つは各学年の内容をどの程度の深さまでやるのかという「難易度」という側面です。

 今回は「進み具合」と「難易度」の両面から、公文国語のレベルを理解していきましょう。

進み具合という観点での公文国語のレベル

 まずはどの教材がどの学年に相当するのかという点を確認しましょう。

公文の進度表を元に教材ごとのレベルを確認する

 まずは下記の公文進度表をご参照ください。

公文進度表

 公文国語には8AからRまでの34個のレベルがあり、アルファベットと学年が概ね対応しています。自分が今どのアルファベットを学習しているか確認すれば、自分の今のレベルを確認する事ができます。

公文では今の学年と違うレベルの学習をする事も多い

 進度表を確認し、今の学年とは違うレベルの学習を行っている人も多かったのではないか思います。

 これは公文が今の学年とは関係なく、実際のレベルに合わせた教材で学習を進める事が理由です。公文を始めたばかりの人であれば今の学年より前から学習を始める事が多いですし、長く公文をやっていれば、今の学年より3学年以上先の学習を進めている事も多いです。

読解力という点ではI教材に1つのピークがある

 漢字や文法という点では、進度表の内容通りのレベルを学習していると考えていいでしょう。一方で読解力という点においては、I教材付近で若干の不一致があります。

 公文国語の教材の中では、問題文として公文の推薦図書が登場します。

 これは5AからIまでの13個のグレードごとに、公文が50冊の推薦図書を定めているものです。教材を進めていく事で、多くの推薦図書の文章に触れる事ができます。

 そしてJ教材からは古文や漢文の学習が始まり、しばらく現代文が出てこなくなります。もちろん古文や漢文を題材にさらなる読解力の向上は目指されていくのですが、読解力という点ではI教材が1つのピークになると言えるでしょう。

 実際にI教材用の推薦図書は「戦争と平和」や「罪と罰」と言った、ほぼ最高難度と言ってもいいような本が選ばれています。その意味で読解力という点に絞れば、I教材というのは中3のレベルを超えた題材を扱っているとも言えるかもしれません。

難易度という観点での公文国語のレベル

 次に難易度という観点から、公文国語のレベルを確認していきましょう。

公文国語は応用的なレベルまでは踏み込まない

 公文国語では基礎的な範囲を扱います。今やっているレベルの中で基礎的な内容を扱いますが、応用的な内容は扱いません。

 応用的な内容というのは、具体的には思考力を求めるような問題の事です。出題の仕方をひねっていたり、本文に書いた内容を前提に思考を発展させたりという所までは公文国語は踏み込みません。

 そのため他の学習教材と比べた時、同じ学年をやっているのであれば、多くの場合は他の教材の方が難しい内容も扱っていると言えるでしょう。問題の内容という点ではレベルは高くありません。

基礎習得のレベルは高い

 応用的な問題を扱わない事と、学習のレベルが低い事はイコールではありません。公文国語では基礎的な内容を中心に扱いますが、基礎においては徹底した反復を行います。

 公文算数だと基礎に置かれているのは計算力ですが、国語の方は読解力が基礎として置かれます。より細かく説明すると、文章に何が書かれているのか、書いてあるままを素早く正確に理解する能力に重点が置かれています。

 この点が分かりやすく表れるのが前述のI教材付近です。極端に速度を求めたり、思考力や想像力を求められたりはしない代わりに、難度の高い文章の基本的な内容を一定の速度で理解できる所が目指されます。こういう意味では公文国語のレベルは高いと言えます。

中学受験より大学受験と相性が良い

 こうした教材の特性から、公文は中学受験より大学受験の方が相性が良いと言えるでしょう。中学受験では思考力を問う問題が出題されやすい傾向があります。大学受験では一次試験において明らかに処理能力や基本的な部分が問われる傾向が強く、東大を始めとした上位校でも処理能力が重視される場合が多いです。

 そのため公文で学んだ内容がどのレベルの受験校で活きるのかは、どの受験をするのかという点に大きく左右されるでしょう。

公文国語のレベル感を正しく把握しましょう

 国語という科目は、受験においてもどのように勉強すべきか分かりにくい教材だと言われます。その中で公文はアルファベットという比較的分かりやすい形で国語のレベルを示してくれます。公文の進み具合がどんな事を意味するのか理解し、より正確な国語力の把握に努めましょう。

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