公文算数 | 小1・小2・小3での学習開始において検討する事

公文 算数

  小学校低学年というのは、多くの親が学習塾や通信講座を一度は考える時期です。公文がその選択肢に入ってくる事も多いでしょう。しかし小学校低学年で公文を始める場合、大きな効果をあげるためには、意外と確認しておくべき事もあります。

 今回は小学校低学年での公文算数についてお話ししていきます。

小1から小3で公文算数を始める際に考えておくべき3つの事

 小学校低学年で公文算数を始める時に考えておくべき事は3つあります。

中学受験との相性が少し悪い

 公文算数は中学受験との相性が少し悪いです。公文算数が基礎力の向上を目指すのに対し、中学受験では応用力が重要になってくるからです。

 公文算数は高校の数学課程までを効率的に修了する事を目的としております。そのため一つの単元を深く掘り下げるのではなく、学習範囲は基礎的な部分に留まります。代わりに基礎に関しては徹底して反復練習が為され、高い計算力を身に付ける事が可能です。

 一方で中学受験は学習範囲があまり広くなく、ある程度のレベルからはみんな基礎が身に付いた状態での勝負になります。そのため効率的に先へ進める事にはあまり意味がなく、小学校課程の基礎を抑えた上で、いかに応用力を伸ばせるかの勝負になります。

 基礎を習得した後の目指すものが全く違うので、中学受験を意識している場合は期待する程の相乗効果がないかもしれません。

図形問題が学習範囲に入っていない

 公文算数は高校の数学課程までを効率的に修了する事を目的としており、図形問題を学習の対象に含めていません。

 中学受験もそうですが、小学校での学習の補助として公文算数を利用する場合もここはギャップになってきます。公文算数の学習を順調に進めていても、図形問題で思わぬ躓きが生まれる可能性があるからです。

真に効果を発揮するのがかなり先になる

 公文算数が真価を発揮するのは高校数学の学習時です。公文算数の学習範囲と高校数学の学習課程は一致しますし、大学受験の出題範囲・科目は広い分、相対的に基礎の重要性も高まるためです。

 しかし高校で数学を学ぶのはかなり先の事になってきます。小学校・中学校でももちろん得られる効果は大きいのですが、真価を発揮するのが先の事であるというのは念頭に置いておくといいでしょう。

小1から小3で公文を始められると得られる3つの効果

 これらの問題を認識さえしておけば、小学校低学年での公文算数の学習から下記の3つのメリットを得る事ができます。

公文の学習期間を長く取りやすい

 小学校低学年からであれば、公文を長い期間続けやすいです。

 基礎に焦点を絞っているとはいえ、公文の学習範囲は膨大です。小1相当(A教材)から高校課程修了相当(Q教材)までには3400枚ものプリントがあり、しかも反復が前提です。いかにモチベーション高く学習に取り組んだとしても、ゴールへたどり着くためには長い年月が必要です。

 そのため公文で成果を出すためにも、まず第一に十分な学習期間が重要になってきます。

 幼稚園・保育園から学習を開始している家庭もありますが、小学校低学年も十分に早い学習開始だと言えるでしょう。ここから長期間の学習期間を確保できるのは大きなメリットです。

学習習慣を確立させやすい

 勉強という面において、小学生になってからまず課題になってくるのは学習習慣の獲得です。まだ宿題の量が少なく、習慣化ができていなくても、何となく日々を乗り切っていけてしまうからです。

 その点公文は毎日プリントを解く前提の作りになっていますから、毎日机に向かわないと宿題をこなしきれません。

 早期から毎日学習する必要性があるのは、今後学習量が増えてきた時に役立つ基礎になります。

短期的に結果が出る事で算数への自信が付きやすい

 小学校の学習課程との相性がもう一つな公文算数ですが、計算問題は学習範囲に含まれます。そして基礎を重視する公文ですから、計算能力という点では高い水準のものが身に付きます。

 計算能力というのは、周囲から見た時、そのまま算数ができるかどうかとイコールで捉えられます。また100ます計算や九九の暗唱といった取り組みの中で、周囲に計算能力が分かる形で見られる場面も少なくありません。

 こうした形で計算が得意だと褒められた結果、算数に対して自信を得る事が期待されます。勉強に対するポジティブな気持ちというのは、今後の学習全体に好影響を及ぼします。

教材の進度の目安

 教材の進度について、理想的には小学生の間に最終教材修了というものが挙げられます。より短期的には、自分の今の学年の3学年先というのが1つの目標になってきます。

 しかし公文の教材を進めるには、どうしても時間の積み上げが必要です。進度の目安を把握するには、どれだけの期間公文を続けていたのかという点も考慮する必要があります。

 公文を始めたばかりであれば、大体今の学年より前の学年から学習が始まります。小1であれば2A教材、小2であればA教材、小3であればB教材がスタート地点になる事が多いでしょう。もちろんそれより前の学年から学習が始まる事もありますが、それ自体を気にする必要はありません。

 スタート地点が今の学年より前なので、まずはこれを追い越す事が目標になってきます。数年程度で今の学年より先の教材までたどり着くというのが一つの目安です。

 3学年以上先へ進むには、親子共に一定以上のモチベーションがあるかどうかも重要になってきます。

事前の理解さえあれば公文は最高の選択肢になり得ます

 小学校低学年における公文算数にはいくつかの考慮事項がありますが、十分な配慮さえあれば学習の開始にはかなり適した時期です。検討の参考にして頂きつつ、良い判断ができる事を願っております。

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