公文国語4Aはどんな教材? 4Aから始まる「書き」の難しさと乗り越えるための考え方

教材 公文 国語

 公文国語で4Aに入ったあたりから、宿題をこなすのに時間がかかってしまうというケースがしばしばあります。5Aまでは読みだけの教材なのが、4Aから文字を書くようになるからです。これまでは順調にプリントを進めていたのに、途端に子供がやる気をなくしてしまうケースも少なくありません。

 今回は公文国語における4Aの壁について説明していきます。

公文国語4Aはどんな教材なの?

公文全体の進度表を確認する

 まずは公文全体の進度表を確認しましょう。

公文進度表

 公文国語4Aは就学前の学習の中盤に位置する教材です。

公文国語の4A教材のイメージを確認する

 これまでの教材と違い「書き」が出てくるのが大きな特徴だと言えるでしょう。前半では一つの文字を書き順を守って書き、後半ではまとまった文章を書く事になります。

 一つ前の教材である5Aでは文章を音読したのに対し、4Aでは文章を書く作業が伴います。

公文公式の解説を確認する

 次に公文式国語教材の一覧の解説を確認しましょう。

 ひらがなを書く基本(字形・筆順など)を学び、十分な筆圧で書く力を養います。語彙の拡充としてジャンル別に名詞を取り上げ、語彙の習得を図ります。文を読んで、登場したものを読み取る学習によって、内容理解を深めます。8A~5A教材で育成したひらがなを読む力をさらに高め、50字程度の文章を、内容を追いながらすらすら読めるようにします。

参照:公文式国語教材の一覧

 「読み」の難易度としては、新しい事をやるというよりは、5Aまでで学んだ事を発展させていくニュアンスが強いです。4Aで新しく学ぶ事としてはやはり「書き」だと考えていいでしょう。

何歳頃に勉強する教材なの?

 4Aの対象年齢は3歳です。幼児期の学習の進み具合は発達の早さにも大きく影響される部分があり、そこまで気にしすぎる部分ではありませんが、一つの目安にはなるでしょう。

公文国語の5Aまでは読みだけど、4Aからは書きが入る

 4Aに入ったタイミングで、これまで一緒にプリントの言葉を音読する教材だったのが、ひらがなを書く教材へと変わります。

 公文の教材は時々見直しが入るので、時期によっては文字を書くようになるのが5Aだったり3Aだったりするかもしれません。ともかくこのあたりの時期で、ひらがなを書く練習をするようになります。

 この時期でお子さんが壁にぶつかってしまうのにはいくつかの理由があります。

音読は受け身でも進むけど、文字を書くのは子供の主体性が必要

 音読だと多少子供の集中が切れていてもプリントは進められます。音読を主導するのは親なので、子供はある程度受け身で学習を進められます。10枚くらいプリントがあったら、10分程度で終わってしまう事も多いでしょう。

 しかし書きは子供が自分で手を動かさなければ終わりません。ちゃんと文字を書くためには集中力も必要です。まだ集中力に波のある小さな子どもの場合は、今までより高い集中力を毎日求められて戸惑います。

同じ公文国語でも書きは苦手な子は多い

 読みと書きはどちらも同じ公文国語ですが、小さな子供にとっては全く違うものを求められます。

 読みで求められるのは、どちらかと言えば物の名前を知ったり、ひらがなの読み方を覚えたりと言った勉強に近い部分です。好奇心旺盛な子供にとっては純粋に楽しめる部分が大きいでしょう。

 一方で書きの場合、子供にとって難しいのはよりフィジカルな部分です。正しく鉛筆を持って枠からはみ出さないように線を引くというのは、小さな子にとってはどちらかと言うと身体を上手に動かせるかどうかという部分が関わっています。特に三歳ごろのお子さんだと、まだ腕の関節の骨がくっついていないと言います。骨がくっついていないから、いくら頑張っても線がふにゃふにゃしてしまうのです。

 しかもこれまでの教材でもひらがなは見ていますから、好奇心を満たしてくれる新たな情報が含まれていません。好奇心を原動力に頑張ってきたお子さん程、ここでブレーキのかかる傾向が強くなります。

子供はまだ鉛筆を持ち慣れていない

 鉛筆を持ち慣れていないというのもあるでしょう。

 子供の時に鉛筆を持つ機会は少ないです。どちらかと言えばお絵かきでクレヨンを持つ機会の方がずっと多いでしょう。しかしクレヨンは太くて持ちやすいものも多く、また絵を描く時にきっちり真っ直ぐな線を引かなければならない場面もありません。

 ひらがなを書くためには直線や曲線を正確に引かなければならない上、全体のバランスまで整えなくてはなりません。それを慣れない鉛筆で行うのは子供にとって難しい事でしょう。

 公文にはズンズンという、鉛筆で線を引く練習をするための教材もあります。下記でズンズンの効果の解説を確認し、メリットを感じるようであれば先生に相談してみるのも一つかもしれません。

小さい子が数十分も机に向かっていられるのはすごい事

 これらの理由から、子供はひらがなを書く教材に入ると宿題に時間がかかるようになります。

 しかし子供が長い時間集中力を保つ事は難しいでしょう。小学校に入った後ですら、15分ちゃんと集中できる子供はそんなにいません。3A教材をやる年齢のお子さんであれば、10分頑張れば御の字です。ひらがなを書くためには余計に集中力が必要なのは前述した通りです。だんだんと宿題を終わらせるのが難しくなるのは間違いありません。

 いかにやる気がなさそうであっても、お子さんが長い時間机に向かっているようであればそれはすごい事だと認めてあげていいと思います。

時間がかかりすぎるのは子供がやる気をなくしているサイン

 ただし30分以上時間がかかっているようであれば、子供にとっても親にとっても負担がかかってきます。

 時間の目安を測るまでもなく、子供がやる気を無くしているというのは親から見ればすぐに分かる事だと思います。やる気のない状態で公文に取り組んでいる子供の姿を見ているのは、親としては嫌なものでしょう。

 しかし嫌な事を我慢して、真面目に頑張れる子供というのはほぼいないだろうという事もまた想像が容易です。親には宿題をやらせなければならないというプレッシャーもかかります。子供が頑張ってくれなければ、やがてケンカが絶えなくなり、最悪の場合は公文を辞めるという決断に至る家庭も決して少なくありません。

公文と子供の間に立ってあげるのは親の仕事

 集中力は続かない。プリントを解くのには時間がかかる。子供には個人差がありますから、どうしても宿題をこなしきるのが難しい時期はあります。そして当たり前の事ですが、子供自身が先生と交渉して宿題を減らすなんて事はできません。

 また先生のきめ細やかなフォローもそこまで期待できるわけではありません。公文は一人の先生で多くの生徒を見ますし、公文のシステム的にも先生の果たす役割というのはそう大きくありません。

 宿題が今の子供にとって大きな負担になっている時、先生と調整ができるのは親だけなのです。

 もちろん宿題を減らして欲しいと言われて、はいそうですかと宿題を減らしてくれる先生はあまりいないでしょう。少しくらい大変でも、頑張って毎日プリントに取り組む姿勢こそが公文が生徒へと望むものだからです。

 しかし親だって子供に頑張って欲しいと思っています。子供が宿題をこなすペースが落ちてきたのであれば、何とか宿題を終わらせられるように手は打っているはずです。それでも乗り越えられない壁がある時に、限界まで子供を追い込むのは望ましい事ではありません。先生とコミュニケーションを取って、良い落とし所を見つけてあげるのが親の役割になってくるでしょう。

4Aの壁を乗り越えて公文国語のメリットを手にしてもらおう

 公文国語の最大のメリットは、読解問題を通して良質な問題に触れ、人生の礎となる読解力や教養を身に付けられる事です。4Aで取り組む内容はあくまでその下準備。ここで公文を辞めてしまうのはもったいないかもしれません。

 4Aの壁を乗り越えるためには、まずは親がここに大きな壁があるという事を認識する事。そして子供が壁にぶつかっても焦らず、子供自身がここを乗り越えようと一番頑張っているのだと知り、必要があれば先生へ相談したり、交渉をしたりする事でしょう。

 4Aをやるお子さんは、小学校入学前の年齢だという場合も多いでしょう。早くから公文を始め、基礎的な読解力を伸ばしていく事は国語に限らず、あらゆる教科を伸ばすための地力になります。大変な事も多いかもしれませんが、頑張ってこの壁を乗り越えていきましょう。

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