公文を算数だけ学習する時に考えるべき事

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 公文は家庭学習や月謝の負担がそこそこあるので、1教科だけ学習したいと考える家庭も多いと思います。その中でも今回は「算数のみ」を学習する事について説明していきます。

基本的には「国語だけ」がおすすめ

どれか1教科のみを学習するのであれば、私は「国語だけ」を推す考え方です。

公文を一教科だけやるなら「国語だけ」がおすすめな理由

理由はいくつかありますが、特に着目すべきなのは「他の科目との相乗効果」という点です。公文の国語は読解力を重視しますが、読解力が付くとあらゆる文章を読めるようになります。どんな教科の教科書や解説書も日本語で書かれていますから、長期的に学力を支えてくれる基礎を作れます。

算数も他の理系科目との相乗効果はありますが、効果は限定的です。もちろんどの理系の科目でも計算問題が出ますから、相乗効果はもちろんあるのですが、あくまでそれは科目全体の中の一部分に過ぎません。1教科だけに限定する必要があるなら、国語の方がより高い効果を得られるでしょう。

その上で算数のみを選択する場合、いくつか抑えておきたいポイントがあります。

「算数のみ」を学習する時に考えるべき事

公文式で算数のみを学習する時、考慮しなければならない事は意外と多いです。

公文式の算数では図形問題を扱わない

これは特に中学生以下のお子さんにとって大きな問題だと思います。

公文の算数が目指す所は、日本の高校数学を最短距離で修了する事です。高校数学はほとんどが代数計算の問題で占められるため、図形問題の学習は省略されています。

これは大学受験を意識した時には効率的なスタンスですが、受験は大学入試だけではありません。ほとんどのお子さんが小中高のどこかで入試を受けなければなりません。そして中学・高校の入試では図形問題がほぼ確実に出題されます。

そのため図形問題の学習をどう補うのかという点は考えておく必要があります。

公文式は受験に特化していない

公文式は受験に特化していません。受験塾ではなく学習塾だからです。

公文算数は高校数学を最短距離で修了する事を目指していると説明しましたが、これは大学受験に特化しているという意味ではなく、単に数学の高校課程の基礎を効率よく身に着けられるという意味です。現代の受験への最適化が行われていたり、志望校別の対策があったりという事はありません。

そのため受験対策は何かしら別の手段を考える必要があります。しかし1教科だけの学習を考えているという事は、多くの場合何かしらのリソースが足りない事が理由だと思います。例えば受験塾に入ろうと考えた時、公文と両立できるのか、あるいはそのタイミングで公文を辞めるのかといった出口の部分は考えなければなりません。

公文の算数は応用的な内容を扱わない

入試にはよく思考力や応用力を問うような問題も出ますが、これは公文の範疇の外です。公文の強みは基礎的な問題を反復によって高いレベルで身につける事です。

このデメリットが特に大きく出るのは中学受験です。中学受験では大学受験と比べて出題範囲が大幅に狭いため、その分思考力を問う問題を出す事で難易度を上げています。基礎に重点を置く公文算数とは相性が悪いです。

算数を選択すべきケース

ではどのような時に算数だけを選択するべきなのでしょうか?

それは一般的なケースと比べ、算数の重要性が非常に高い場合です。端的に言えば算数の授業へ完全についていけなくなってしまっているようなお子さんであれば、公文で算数のみを学習するメリットはあるでしょう。

公文の学習なら今の学年より前の教材から始められる

公文式の大きな特徴は「無学年学習」です。今の学年ではなく、理解度に応じた難易度の教材で学習を行えます。

これは授業へ付いていけなくなってしまったお子さんにとって大きな意味を持ちます。

例えば分数の計算を学び始めているのに、掛け算や割り算の理解が怪しいような場合ですね。5分の4は「4÷5」の事ですから、割り算を理解できていない段階で分数の計算を理解するのは非常に困難です。

こういう時に掛け算や割り算から学習をやり直すには、学年ではなく、実際に理解しているかどうかという基準で学習を進められる塾に入る必要があります。その意味で公文は適した学習塾だと言えます。

時間的に数年単位の余裕がある

公文は効率良く学力を上げるというよりも、時間をかけて地道に実力を積み上げるタイプの学習を行います。家庭での学習量はそこそこありますが、中学受験塾のように、お子さんの生活の全てを公文に注ぐ程の負担はありません。

代わりに公文式では教材が取り扱う範囲が広く、0歳から高校課程修了までの学習を行う事ができます。そのため長期間の継続によって公文のメリットを享受する事ができます。

逆に言えば数年、可能なら5年以上の継続を視野に入れないのであれば、他の教材や選択肢が適している可能性が高いです。時間的な余裕の有無は考えておく必要があるでしょう。

算数のみを学習させる理由を持ちましょう

今回は算数のみを学習させる場合に考えるべき事を説明しました。自分自身は1教科だけを公文で学習するなら国語にするべきという立場ですが、状況によっては算数を選択すべき場合がある事も間違いないと思います。この記事が適切な判断のための材料になれば幸いです。

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