公文英語 | 子供の音読の発音が気になる? 公文英語で必要な親の心構え

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  公文英語では音読をしますが、音読の発音がテキストと全く違って聞こえる事があります。教室の先生もあまり発音の間違いを指摘してくれず、このまま公文を続けさせていいものか迷う場面があるでしょう。

 今回は公文英語の教材を音読している時に発音が間違っているように聞こえる理由と、その際の親の心構えを話していきます。

発音の間違い方にも良し悪しがある

 まず一点抑えておきたいのは、発音の間違い方にも良し悪しがあるという事です。

 子供が喋り始めた時、最初からはっきり一音一音を発音していたという事はなかったですよね。電車を見れば「でんしゃ」と言うよりも「ぇんしゃー」という感じの発音をしていたと思います。

 これは子供が文字ではなく、親の発音を真似して言葉を発しているからです。本来の言語習得過程では、文字より先に音を真似する所から上達が始まっていきます。

 英語でも同じです。Appleという単語であれば「あっぷる」という発音をしているよりも「んぽー」と言っていた方が音としては本物に近いです。文章を繋げて読めば、音としてはもっとモニョモニョとしたものに聞こえます。こういう形で子供の発音が思っていたものと違った場合、それは正常な言語習得の過程に子供がいると思って問題ないでしょう。

 一方で明らかに違う単語を発音しているのであれば、それはたしかに訂正する必要があるかもしれません。Appleを「グレープ」と発音していたらおかしいというのは否定のしようがありません。あまりない間違い方かもしれませんが、こういう間違いは正してあげていいものでしょう。

公文で音読の発音が間違って聞こえる3つの理由

 その上で、以下の3つの理由から、親は不用意に発音の間違いを訂正するべきではないと思います。

ネイティブじゃなければ発音の違いは判別できない

 ネイティブでなければ、ネイティブの発音を判別する事は非常に難しいです。

 そもそも英語には非常に多様な発音があります。例えばイギリスとアメリカは共に英語を母語とする国ですが、それぞれ異なった発音の英語を話しています。イギリスとアメリカだけではなく、英語を母語とする人が100万人以上いる国も10カ国あります。

 英語を話す人の数が世界2位のインドでは英語が母語ではありませんし、英語を話す人が少ない国の人でも、エリートは英語を学んでグローバル企業で働こうとします。それぞれの母語の数だけイントネーションには特徴が出ます。

 日本人の発音が変だという話は聞いた事があるかもしれませんが、他の国も大なり小なり変な英語を話しています。多様な英語がある中で、どれがちゃんとした英語なのか判別できる日本人がどれだけいるでしょうか。

 日本語で言えば方言のようなものでしょう。日本にもたくさんの都道府県があり、それぞれに方言があります。方言がきつければ同じ日本人でも何を言っているのか分からない事もありますし、面白おかしく取り扱われる事も多いです。しかし日本語を学習している外国人に、方言と標準語を聞き分けろというのが難しい事は何となく分かると思います。

 英語でも同じです。日本人の話す英語には方言的な訛りがあるかもしれませんが、それを判別する事は非常に困難です。自分が子供に正しい発音を教えられると思うのはほとんどの場合勘違いだと思った方がいいでしょう。 

公文の先生は別にネイティブというわけではない

 公文の先生になるために教員免許や指導経験は必要ありません。本部の研修は受ける事になりますが、先生になるためのハードルが必ずしも高いわけではないようです。

 当然英語のネイティブだという先生は非常に少数でしょう。ネイティブではありませんから、正しい発音を判別できる先生もまた少ないという事になります。

 先生が横で発音をチェックしていれば、その場で「んぽー」という発音を「あっぽー」に近づける事ができるかもしれません。しかし音読を聞いてもその場で発音の判別は付きませんから、すぐに発音の訂正が入るわけではありません。

 では子供が公文英語でどのように発音を身に付けるかというと、E-pencilというデバイスを使います。プリントをペンでタッチするとネイティブの音声で英語が読み上げられるので、子供はそれを真似して音読を行います。

 音声を真似していくので正しい発音は身に付いていきますが、間違いをその場で指摘してくれる人はいないので、習得に時間はかかります。その過程を見ている親からすると不安に思うタイミングはあるかもしれません。

 もちろんこの話は「英語を話せる先生が皆無」という話ではありません。英語の得意な先生もどこかにいるでしょうし、音読時の指導に積極的な先生もいるでしょう。こうした先生がいれば当たりかもしれません。しかし公文英語は先生が英語を話せる事を前提にしていませんし、またそれでも教材を進められるよう作られています。

喋れる事を重視するなら公文より良い習い事がある

 そもそも公文英語をするだけで英語を話せるようにはならないと考えた方がいいです。なぜなら公文英語では英語で会話をしないからです。会話をしないのに英語が話せるようになるという事はありません。

 公文英語で主に効果が現れるのは、実際のコミュニケーションの場よりも、試験においてだと考えた方がいいでしょう。長文読解や音読、リスニングという公文での英語学習は英検やTOEICには非常に有効です。そして喋りを求められる場面というのは、試験においては限られています。

 正しい発音の習得にはやや時間がかかるかもしれませんが、そこを公文に求めるのはお門違いな部分があるかもしれません。スピーキングや会話という点においては他の習い事を検討した方がいいでしょう。

発音は多めに見てあげた方がいいです

 公文においては正しい発音の習得を二の次に置いているように感じます。音読もあくまでリーディングを習得する手段でしょう。英文を読みながら音読をするのでは自分の頭で話す英文を組み立てられませんし、受験の場面でも、英語の長文読解問題ができるようになるために音読はメジャーな勉強方法です。

 しかし発音について「んっ?」と思う部分があったとしても、他の力はちゃんと身に付いています。E-pencilの発音をお子さんが真似しようとする姿勢が見られるのであれば、発音の拙さには目を瞑ってあげる。そんな寛容さが大切になってくるでしょう。

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