公文算数6Aはどんな教材? 親の正しい理解から公文算数のいいスタートを切りましょう

教材 公文 算数

公文算数の6Aは何歳くらいでやる教材なの?

 公文の算数において、一番最初の教材に位置するのが6A教材です。公文を開始できる年齢は多くの場合3歳からのため、3歳や4歳で6Aに取り組むお子さんが多いでしょう。

公文算数の6Aはどんな教材なの?

 まずは公文公式の解説を確認してみましょう。

イラストや●を数えること、数字を読むことを通して10までの数に十分に親しみ、5A教材に進める力をつけます。「10までの数字が読め、らくに数唱できること」「10までのイラストや●を数えて個数を把握すること」を目標としています。




参照:公文式算数・数学教材の一覧

 物や記号、数字など様々な面から数字という概念へアプローチしているのが分かります。

公文算数の6Aの攻略のポイントは?

 ここで大事な心構えは、「数を数える事」と「数字を認識する事」の違いをはっきり理解しておく事です。

 ここで言う「数を数える」というのは、何かを指さしながら「1,2,3...」と口にする事ができるという意味です。大人から見ると、この段階で子供は数字を認識できていると勘違いします。「1から10までを数えられるようになった。次は11以上の数だ」なんて風に、10までの数字をマスターしたように勘違いしてしまう場合も多いでしょう。

 しかし実際には違います。この段階で例えば「9」という文字を指差しても、まだお子さんはこれが9という数字だと理解する事はできません。

 数を数えられるようになった段階では、数えるという行為は、お子さんにとって童謡を歌っているのと変わりません。「おおきなくりのきのしたで〜」と歌う事と、「いちにさんよん...」と歌う事に大きな差がないのです。耳から聞こえてきた音を真似して口ずさんでいるだけで、「いち」という言葉があると分かっているわけでもなければ、「1」は「いち」と読むのだと理解しているわけでもありません。

 実際にこの時期の私の子供に「3」を指さして「これは何?」と聞いてみると、「いちにさんよん...」と数を数えたり、「なな」と答えたりしていました。数を理解するというのは一筋縄ではいかない概念なのです。

「数字の認識」は6Aでは必須の課題ではない

 どんな人であっても、新しい事を知る時には、今までに知った何かしらの情報を頼りに新しい事を理解しようとします。今まで知っている事と関係のない程、学習には苦労するでしょう。運動経験の乏しい人が新しいスポーツで上達するには多くの苦労を伴いますし、理系な話と距離を置いてきた人が物理学を学ぶのは大変な事でしょう。

 お子さんにとっても同じです。文字と意味・音が結びついている事に初めて触れるのは、多くの場合ひらがなではなく数字です。初めて学習する事を理解するまでには、当然相応のコストがかかります。

 そして公文はこの問題に対し、6Aの段階では数字を認識する必要はない事を伺わせているのです。

 公文公式の6A教材の解説では「10までの数字の数唱」と「個数のカウント」を課題に挙げています。どちらも1から順番に数字を唱えていけば良く、数字を認識する必要性を打ち出しているものではありません。数字の認識は次の5A教材で出てくる課題になります。

教材の意図を正確に理解する事で暖かくお子さんを見守りましょう

 「数を数える事」と「数字を認識する事」は、大人からすると違いをなかなか認識しにくい部分です。しかし公文の教材ではここが明確に分けられています。そのためここの違いをしっかり認識しておかないと、実際にはお子さんが成長していても、大人の目にはお子さんがいつまでも同じような事をしているように見えてしまいます。

 公文は家庭学習の負担を親も負う教材です。進歩が感じられない事は、容易に不満や焦りへと繋がってしまいます。一歩間違えれば、5A教材の「数字の認識」に手間取っている姿を見て、前はできていた事がどうしてできないのかと苛立つような結果にもなりかねません。

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