公文国語Cはどんな教材? 「物語に親しむ事」が突破の鍵になります

教材 公文 国語

公文国語全体の中でのC教材の位置づけを確認する

 まずは公文の進度表を参照しながら、C教材の位置づけを理解しましょう。

 C教材は小学校3年生程度のレベルです。

 幼児期の教材は「8A→7A→6A」とAの前に付く数字がどんどん小さくなっていきました。小学校レベルの教材に入ると「AⅠ→AⅡ→BⅠ→BⅡ」という順で教材が進んでいきます。アルファベットが1つ進むと学年も1つ進むようなイメージです。

公文国語のC教材は何年生くらいの子がやっているの?

 小2や小3のお子さんがやっている場合が多いです。小学校入学後に公文を始めた場合であれば、まだ実際の学年より大きく先へ進んでいるパターンは少ないでしょう。一方で幼少期から公文を始めたお子さんであれば、年長でC教材にたどり着くお子さんは一定数います。これは公文が定める「高進度」が概ね今の年齢・学年より3学年先で、小学校入学前にC教材を終える事が1つのラインになっているからです。

公文国語のC教材はどんな内容なの?

 では公文国語のC教材はどのような内容なのでしょうか? まずはCⅠ教材から、公式サイトの解説と教材例をいくつか確認していきましょう。

 >言葉と言葉をつなぐ助詞に注目し、構文力を養います。「文末の表現」や「立場の変化に伴う文末の変化」、「感動詞や副詞の呼応」などに注目し、文意を正確に把握する力をいっそう高めます。小3配当の漢字、90字を学習し、語彙を拡充します。また、熟語を切り口として、CⅠで学習した漢字の総復習を行います。

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参照:公文式国語教材の一覧

 B教材では主語・述語・修飾語という文章構成の中心となる文法を学びました。C教材では助詞や感動詞、副詞と言ったより難しい文法を取り扱います。また時制も取り扱うようになり、文の表現の幅が広がってきます。

 英語の学習でも当然文法の概念は出てきて、助詞や感動詞、副詞のあたりはこれまでと比べやや難しく感じられた方も多いのではないかと思います。日本語の文法を初めて学ぶお子さんにとっても同様の感覚を持つかもしれません。

 次にCⅡ教材の解説と教材例を確認していきましょう。

 >「メモ」では、メモの形式を用いて、文章内容の整理を行います。また、「5W 1H」では、「いつ・どこ・だれ・なに・なぜ・どのように」という諸要素を的確に把握します。「質問と応答」では、質問文に対応した適切な応答文を組み立てる練習を通して、文章読解力と、基本構文力の土台を固めます。小3配当漢字96字の読み書きを習得します。また、熟語を切り口として、CⅡで学習した漢字の総復習を行います。

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参照:公文式国語教材の一覧

 これまでの文法的な学習内容から、基本的な文章の読み書きを前提に文章を使う所へ主眼が移ってきます。「5W1H」や「質問と応答」は単なる文法の問題ではなく、文章から必要な情報を抜き出し、コミュニケーションへと繋げていくための第一歩になってきます。

 また熟語も登場します。私自身の学習時には公文の漢字の印象はそこまで強くありませんでしたが、少なくともC教材まではその学年で習う漢字を確実に抑えてくれています。

公文国語Cの攻略のポイントは?

 C教材で出てくる要素を確実に抑えるためには、物語文に慣れ親しんでいる事が重要でしょう。

 CⅠでは助詞や感動詞、副詞が出てきます。CⅡでは「5W1H」と「質問と応答」が出てきます。いずれも評論文より、物語文、特に登場人物同士の会話において頻出する概念でしょう。会話文では登場人物の感情を表す感動詞が出てきやすいですし、会話の中で「質問と応答」は当然出てきます。「わざわざ」や「もっと」と言った副詞による表現の脚色は物語において使われやすいものですし、5W1Hを理解する必要が出てくるのは複数の登場人物や場面が出てくる物語文の方です。

 物語に対する親側の抵抗感は子供の妨げになる

 知識面を重視しすぎると、物語のある本をどこか低俗だと思ってしまう人も多いでしょう。特に小学校低学年のお子さんが好むような物語であれば、子供に悪影響を与えるからと遠ざける家庭もあるのではないでしょうか。男子向けの仮面ライダーであるとかおしりたんていだとか、バトルや下ネタを含むものに対して抵抗がある人は少なくありません。それなら図鑑を読んでもらった方がよっぽど知的好奇心のある子供に育つという考え方は理解できるものです。

 しかし物語へ夢中になる機会を奪ってしまうと、国語においてもC教材で学ぶ内容を伸ばすチャンスまで無くしてしまいます。

 人気シリーズの物語であれば、子供が夢中になってくれる可能性も高くなります。一冊で完結する話と比べ、登場人物の数も増え、より高いレベルで物語内のコミュニケーションを正確に理解する必要が出てきます。

 この力を伸ばすためには、必ずしも読書だけが有効なわけではありません。C教材で必要になってくる力は文意の解釈そのものではなく、そこから大事な情報を抜き出す力だからです。どの情報が大事なのかという点を理解してもらうには、物語への興味を利用するのが一番の近道なのです。

物語について子供とお父さんで話してもらうのは有効かもしれません

 そうは言っても、特に母親側で子供向けのアニメに興味を持つのは難しい場合もあると思います。女性向けの物語というのはほとんどが恋愛ものです。少女漫画と恋愛ものというのはほぼイコールですし、ドラマでも主流は恋愛です。職業物や家族物もありますが、子供向けの題材とは言い難いでしょう。小学校低学年向けの物語で恋愛が題材になる事はまずなく、子供と同じ視点で興味を持つ事は難しいかもしれません。

 そこで着目したいのは父親側です。

 男性向けのアニメやマンガは、必ずしも恋愛が題材に入っていないですよね。もちろん恋愛ものは男性向けでも一大ジャンルですが、あくまでいくつかの人気ジャンルの一つでしかありません。バトルやスポーツ、ロボットや謎解き。こうした要素は子供向けのアニメにも多く含まれますが、大人の男性でも好む人は多く存在するジャンルです。一回見始めてしまえば、子供向けアニメでも案外父親がハマってしまう事はありえます。

 男の子の話ではないかと思われますが、女の子向けのアニメでもそこまで事情は変わりません。プリキュアにハマった父親の話は調べればいくらでも出てきます。

 子供だけでアニメを見ていれば、そんなに話の中身を理解していなくても物語を楽しむ事ができます。仮面ライダーがかっこよく戦っていたり、プリキュアが変身するシーンを見たりしているだけで、悪役の動機や世界観を理解していなくても子供のうちは視聴を楽しめるものです。しかし国語力という点で言えば、もちろんそれだけでは力が身に付きません。

 親子で話の中身について話ができれば、物語の理解を促す事ができます。ちょっとした伏線やモチーフについて解説してあげるだけで、子供は物語をぐっと深く理解してくれるようになります。そして物語についての話というのは、物語を楽しんでいる人同士でなければ楽しくないものです。

 もちろん好みは人それぞれです。母親側が物語を楽しめる事もあれば、父親側が全く興味を示さない事もあります。ただ自分が楽しめない子供向けの物語であっても、パートナーは意外と面白がってくれるかもしれないというのは頭に入れておくべきでしょう。

 C教材の内容をスムーズに理解するためには、案外不真面目に思えるような部分が影響してくるのかもしれません。


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